能楽師・安田登さんの「古典を読んだら悩みが消えた」という本で”あわい”という言葉に出会いました。
安田登さんは、能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催されている方です。1956年生まれ。
能の世界では、シテとワキの2つの役に分かれていて、シテは主役、そして脇役を超えたあわいの存在がワキです。
”あわい”は、物と物の間にあって2つを繋ぐ存在です。例えで挙げられているのは、人のココロと外の世界を仲介する身体です。主役はココロですが、外界と触れているのは身体ですね。主役のココロは現在は危険な状態なのだそうです。
過去への後悔、未来への不安が現代社会では、複雑でまた沢山蓄積し大きくなっていて人はそれをうまくコントロールできていないのが現代社会だそうです。
あわいである身体の感覚、身体の思考も自分の中に組み入れることが大事なのだそうです。たしかにココロである脳の命令に、身体がついていかない事ってありますね。
そのあたり、古典を読むと昔の人達が上手にあわい的な生き方をしているので、現代社会に悩みを持っている人、生きづらいと感じている人の役に立つよ。というのがこの本の内容です。
安田先生の文章が上手でとても読みやすかったので、古典は興味はあるが、なかなか読む気にならないという方でもおすすめです
安田登先生のホームページ【和と輪】
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