「MDクリニックダイエット」、「ホスピタルダイエット」等と称するやせ薬については、死亡事例を含む多くの健康被害が発生しています。
健康被害事例 タイ製のやせ薬
インターネットのホームページを介して個人輸入した薬の健康被害事例です
「MDクリニックダイエット」、「ホスピタルダイエット」等と称するやせ薬については、死亡事例を含む多くの健康被害が発生しています。
製品名
MDクリニックダイエット
ホスピタルダイエット
ヤンヒーダイエット
製造元
海外(タイ国)の病院が処方したとされる医薬品
製品写真
(製品写真 埼玉県のサイトから抜粋)
含まれていた成分
いやこれ何って思いますね?
心臓や中枢に作用する薬の成分がたくさんあって驚きます。
第3種向精神病薬が4成分です。甲状腺に作用する成分まであります。
こんな危険なものがネット販売と思うと恐ろしいの一言です。
例えば、ジアゼパムの添付文書の重要な基本的な注意には車の運転をしない、薬物依存が記載されています。ベンゾジアゼピン系薬剤は個人輸入するような薬剤ではなく医師、薬剤師の指導のもと注意が必要な薬なのです。
重要な基本的注意
- 1.眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
- 2.連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること(「重大な副作用」の項参照)。
ジアゼパム(第3種向精神薬)
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:神経症における不安・緊張・抑うつ、うつ病における不安・緊張等) 作用:馴化、鎮静作用、抗痙攣作用等 副作用:薬物依存、刺激興奮、錯乱 等 |
フェノバルビタール(第3種向精神薬)
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:不眠症、不安緊張状態の鎮静、てんかんのけいれん発作等) 作用:催眠・鎮静作用、抗けいれん作用等 副作用:皮膚障害、肝機能障害、腎障害、眠気、眩暈、頭痛、食欲不振 等 (連用により薬物依存を生じることがある。) |
フェンテルミン(第3種向精神薬)
・ | 海外では医薬品としての承認があります(国内は未承認)。 (適応:肥満症の治療) 作用:食欲抑制作用 副作用:薬物依存 等 |
マジンドール(第3種向精神薬)
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症における食事療法 及び運動療法の補助) 作用:食欲抑制作用等 副作用:薬物依存、口渇、便秘 等 |
アスコルビン酸
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:ビタミンC欠乏症の予防及び治療等) 作用:抗酸化作用等 副作用:悪心・嘔吐、下痢 等 |
アセトアミノフェン
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:頭痛、耳痛、症候性神経痛等) 作用:解熱鎮痛作用 副作用:ショック、チアノーゼ 等 |
シブトラミン
・ | 海外では医薬品としての承認があります(国内は未承認)。 (適応:肥満症の治療) 作用:中枢性食欲抑制作用 副作用:血圧上昇、心拍数増加、頭痛、口渇、便秘、鼻炎 等 |
ビサコジル
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:便秘症等) 作用:大腸のぜん動運動促進作用等 副作用:過敏症状、腹部不快感 等 |
ヒドロクロロチアジド
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:高血圧、心性浮腫等) 作用:降圧作用、利尿作用 副作用:食欲不振、悪心・嘔吐、腹部不快感、脱力感、低カリウム血症 等 |
マレイン酸クロルフェニラミン
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒等) 作用:抗ヒスタミン作用 副作用:過敏症、眠気 等 |
甲状腺ホルモン(甲状腺末)
・ | 乾燥甲状腺として、国内では医薬品としての承認があります。 (適応:甲状腺機能低下症、クレチン病、甲状腺腫等) 作用:甲状腺ホルモン作用 副作用:狭心症、ショック、うっ血性心不全 等 |
フルオキセチン
・ | 海外では医薬品としての承認があります。 (適応:うつ病、うつ症状) 作用:抗うつ作用 等 副作用:倦怠感、頭痛、めまい、腹痛、口渇、食欲不振、睡眠障害 等 |
ジオクチルスルホサクシネート
・ | 国内では類似の成分について、医薬品として承認があります。 (適応:便秘症等) 作用:浸潤性下剤(軟化剤) 副作用:腹痛、下痢 等 |
プロプラノロール
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:高血圧、狭心症、不整脈) 作用:降圧作用 等 副作用:徐脈、めまい、ふらつき、手足の冷え 等 |
フロセミド
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:高血圧、心性浮腫等) 作用:利尿作用、降圧作用 副作用:ショック、食欲不振、悪心・嘔吐、めまい、低カリウム血症 等 |
クロルフェニラミン
・ | 国内では医薬品としての承認があります。 (適応:じん麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒等) 作用:抗ヒスタミン作用 副作用:過敏症、眠気 等 |
発現した有害事象
死亡例が報告されていますね。それに16年間という長期間で報告されているのも驚きです
発生報告件数累計 22件
死亡件数 4件
発生時期 平成14年~平成30年
どんな症状が発現したのか?
(平成30年10月12日 静岡県発表)
製品名: 「ヤンヒー病院処方薬」及び「利尿剤」
健康被害(疑い):動悸、ふらつき、四肢の麻痺等
(平成29年11月9日 東京都発表)
製品名: MDクリニックダイエット
健康被害(疑い):悪心、手足のしびれ等1例
(平成28年6月21日 山梨県発表)
製品名: ホスピタルダイエット
健康被害(疑い):甲状腺機能亢進の症状1例
(平成28年2月18日 千葉県発表)
製品名: ホスピタルダイエット
健康被害(疑い):排尿困難、意識もうろう、手足の震え等1例
(平成24年12月17日 北九州市発表)
製品名: 不明
健康被害(疑い):幻覚、幻聴1例
(平成24年12月6日 岡山市発表)
製品名: 不明
健康被害(疑い):腹痛、嘔気(嘔吐)1例
(平成24年10月22日 埼玉県発表)
製品名: 「MDクリニックダイエット」と称して販売されているもの
健康被害(疑い):発汗、動悸、息切れ、胃部不快感1例
(平成23年7月7日 東京都発表)
製品名: 「MDクリニックダイエット」と称される製品
健康被害(疑い):死亡(因果関係は明らかではない)1例
(平成23年6月15日 埼玉県発表)
製品名: 「MDクリニックダイエット」と称して販売されているもの
健康被害(疑い):目のけいれん、ふらつき感1例
(平成22年12月13日 藤沢市発表)
製品名: 「MDクリニックダイエット」と称して販売されているもの
健康被害(疑い):動悸、嘔吐、息切れ、歩行困難、食欲不振、意識障害、薬剤性甲状腺機能低下症1例
(平成21年10月23日 東京都発表)
製品名:不明(「MDクリニックダイエット」と称して販売されているもの)
健康被害(疑い):死亡(因果関係は明らかではない)1例
(平成21年10月 東京大学法医学教室)
製品名: ホスピタルダイエット
健康被害(疑い): 偽性バーター症候群による不整脈又は呼吸器麻痺(死亡) 1例
偽性バーター症候群の初期症状:下痢、嘔吐、脱水症状、手足のだるさ、しびれ等
(平成21年9月16日前橋市発表)
製品名: MDクリニックダイエット
健康被害(疑い): 食欲不振、吐き気、めまい、頻脈、発汗等 1例
(平成20年3月11日京都府発表)
製品名: 不明
健康被害(疑い): 口の渇き、めまい、ふらつき 等 1例
(平成19年11月21日横浜市発表)
製品名:不明(「ホスピタルダイエット」などと称して販売されているもの)
健康被害(疑い): 微熱、動悸、体重減少、甲状腺機能亢進症 等 1例
(平成19年6月1日名古屋市発表)
製品名: MDクリニックダイエット
健康被害(疑い): 動悸、発汗、めまい等 1例
(平成18年6月1日宮城県発表)
製品名:ヤンヒーダイエット
健康被害(疑い): 甲状腺機能亢進症、手のふるえ、焦燥感 1例
(平成17年9月21日及び10月6日目黒区発表)
製品名: ヤンヒーホスピタルダイエット
健康被害(疑い): 甲状腺機能障害、動悸、胸痛、口渇等 1例
(平成17年9月1日神奈川県発表)
製品名: 不明
健康被害:急性心不全(死亡) 1例
(平成15年9月1日広島県発表)
製品名: 「ホスピタルダイエット」又は「ドクターダイエット」と称して販売されたもの
健康被害(疑い):頭痛、嘔吐、動悸、発汗等。医療機関へ緊急搬送された。1例
(平成15年8月21日及び11月12日兵庫県発表)
製品名: 「ホスピタルダイエット」及び「ニューホスピ」と称して販売されたもの
健康被害: 振戦、甲状腺機能亢進等 1例
(平成14年12月27日、平成15年1月27日及び5月27日香川県発表)
製品名: ホスピタルダイエット 3a5
健康被害(疑い):中毒性表皮壊死剥離症及び肝機能障害。重篤な状態で入院。1例
関連情報
・2018年10月12日 厚生労働省発表資料
・「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例について
・個人輸入する際に、数量に関わらず厚生労働省の確認を必要とするもの
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